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かのえさおり絵日記

インターネットマーケットサイトを中心に作家として活動しています。引っ越しを機に日記を書くことにしました。

【映画絵日記3】LE HAVRE 〜ル・アーヴルの靴磨き〜

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LE HAVRE (ル・アーヴルの靴磨き)2011年 ★★★★☆

監督 アキ・カウリスマキ

出演 アンドレ・ウィルム/カティ・オウティネン

題名の"LE HAVRE"はフランスの港町、ル・アーヴルを指します。丁度大学で研究テーマにしている画家がル・アーヴル出身ということで、見るしか無い!と思い見てみました(実際には研究には役立ちませんけど)。映画を見て、これ、「靴磨き」っていうフレーズ必要かなあ、、と思ったんですが、やっぱり靴磨きなんて言っているのは邦題だけみたいですね。

f:id:kanoesaori:20160525121851j:plainストーリー

フランスのル・アーヴルで靴磨きとして生活をするマルセル。彼は駅前や港近くで靴磨きをしては、妻アルレッティの待つ家に帰るという毎日を過ごしていた。稼ぎは微々たるものだが、質素な生活でも夕飯前のバー通いや、近所付き合いを楽しむ穏やかな毎日だ。しかしある時から妻アルレッティが入院することになる。それと同時に、ル・アーヴルの港にアフリカからの密航者が到着した。その船で密航して来たアフリカ人の少年イドリッサがマルセルの家に転がり込んで来てしまう。密航者をかばうことは罪に問われるが、罪の無い少年イドリッサを放っておけないマルセルは彼をかくまうことに決めるが・・・・

 

感想

ル・アーヴルの靴磨きなんていうタイトルと黒人の男の子のポスターしか予備知識がなかった私はすっかり、フランスで黒人の男の子が靴磨き職人になるハートフルストーリー!だと思い込んでいましたが、違いました。移民や政治をキーワードにしつつも、ル・アーヴルという小さな港町で静かに生活する人々の暖かい関係、その小さな世界を美しく描いた映画でした。

舞台がフランスなのでフランス映画、ではあるんですが、監督のカウリスマキフィンランド出身の監督。彼の他作品を見たことがないので、是非他のもみたいな〜と思っています。この映画の特徴は、色彩の美しさと、一見古い映画かと思ってしまうような画面の粗さです。レトロ可愛い映画というと、「タイピスト!」や「アーティスト」なんかが最近のもので人気ですが、どちらも現代の技術を生かした美しくクリアな画質で撮影された作品で、レトロな舞台を現代で再現しました。という感じ。でもル・アーヴルの靴磨きの映像は、本当に2011年に撮ったの!?というようなアナログ感があります。言うなれば前者が最新のデジタル一眼レフ的映像、後者は古き良きフィルム式の一眼レフ的映像。という感じです。この暖かい映像美はカウリスマキ監督の特徴でもあるみたいなので、是非他の作品も見てみたい〜〜!

f:id:kanoesaori:20160525122057j:plainみどころ

私がみどころ!として上げたいのは、映像美ももちろんですが、個性豊かなキャラクターたちです。もちろんディズニー映画のように個性際立つキャラクターが動き回るようなシーンは一切ないですが、繊細かつ個性的な描写で、登場人物の人間味が描かれています。時々使用されるキャラクターの顔をズームアップしたカットも、チェコシュルレアリスム映画のようで面白いですよ。一応ジャンルとしてはコメディ映画、ということになっているようです。

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もちろん主人公周辺の人物も魅力的ですが、特に役名も無い酒場にたむろす男たちなんかもとっても素敵なので、注目してほしいなと思いました!

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